私の片想い事情 【完】
「隼人のことはどうでもいいとして……」
亜紀さんが意味深に笑いながら私の方を見る。
「あのね、今日学生の臨時アルバイトが来るのよ」
それがどうしたんだろうか、と私は首を捻る。
「あぁ、今特別教室で人手足りませんからね」
「そういうことじゃなくて、そのアルバイトの男の子たち、すごくかっこいいのよ!」
あぁ、だからお化粧直し?と私は納得する。
そんなことしなくても羨ましいくらい十分キレイなのになぁ。茶目っ気たっぷりに笑う彼女はまた別の魅力を放つ。
「ねぇ、亜紀さん、かっこいいって言ってもまだ学生でしょ?」
「みなみってホントつまんない!学生とはいえ、19、20は立派な男よ」
飽きれた顔をしていると、そんな私に構わず、水しぶきを弾く肌がピチピチなのよ、なんて力説してくる。
うーん、その姿、隼人の奥様コースのおばちゃんたちと変わらない、って言ったら殺される?