私の片想い事情 【完】

あの件のことを、パパさんも静香さんも隼人も語らない。


あの後、西崎家でどんな話し合いが持たれたのかは知る由もないけど、隼人は変わらずあの家に帰る。


女遊びをしなくなったけど、真剣に彼女をつくることもしなかった。来る者拒まず、去る者追わず。


私は、隼人への恋心を封印して、友達としてずっと一緒にいようと思った。


もう、イベントの度に告白することもない。


だって、隼人がそれを望んでいたから。


時が過ぎて、夏がくるたびに、胸がチクリと痛む。


いつか私にも隼人意外に好きな人ができて、隼人にも心から信頼できる彼女ができたら、私は隼人の母親業を卒業しようと思っていたけど、私の心は、１７の夏に隼人に一目惚れしてから、変わらず隼人で占めている。


絶対に振り向いてくれない男のことを未だに想っているんだ。