私の片想い事情 【完】

だって、どんなに時が止まって欲しいと願っても、時計の針は、容赦なくカチコチと音を立て、時間の経過を知らせる。


せめて48時間前に時間を戻して欲しいと携帯の日付画面と睨めっこしたが、時間は一分一秒も巻き戻されることはない。


だから―――


今更過ぎてしまったことを悔やんでも仕方がないのだ。


自分が取った行動はなかったことに出来ないし、口から出た言葉は戻ってこない。


くよくよ悩んでいるのは私らしくない。


性格は卑屈なのは自負しているけど、単純で図太いのが私の良いところ。


隼人と前みたいな関係に戻れないとしても、私はこれで前に向かって進まなければいけない。


自分にそう言い聞かせ、私は事務所のドアを開いた。





< 250 / 480 >

この作品をシェア

pagetop