私の片想い事情 【完】

午前11時。


いつもより2時間早く出勤し、私は大きな声で挨拶をする。


受付の西本さんが、あら、今日は早いわねぇ、とにこにこ笑って挨拶を返してくれる。


亜紀さんは、おはようと優雅に微笑み、新作の水着カタログを眺めていてた。


マネージャーがいきなり背後から現れて、声がでかすぎる、と頭を雑誌でポンと叩く。


チラっとシフトボードを見れば、隼人は午前の特別教室に入っていた。


私は小さく溜息をつくと、自分のデスクについて、今日一日のカリキュラムとメニューを立てる。


JOも近いし、やらなきゃいけないことは山程ある。


いつもと変わらない日常。


そう、何一つ変わらない日常に戻ったのだ。





< 251 / 480 >

この作品をシェア

pagetop