私の片想い事情 【完】
午前11時。
いつもより2時間早く出勤し、私は大きな声で挨拶をする。
受付の西本さんが、あら、今日は早いわねぇ、とにこにこ笑って挨拶を返してくれる。
亜紀さんは、おはようと優雅に微笑み、新作の水着カタログを眺めていてた。
マネージャーがいきなり背後から現れて、声がでかすぎる、と頭を雑誌でポンと叩く。
チラっとシフトボードを見れば、隼人は午前の特別教室に入っていた。
私は小さく溜息をつくと、自分のデスクについて、今日一日のカリキュラムとメニューを立てる。
JOも近いし、やらなきゃいけないことは山程ある。
いつもと変わらない日常。
そう、何一つ変わらない日常に戻ったのだ。