私の片想い事情 【完】
「で、前の関係とどう変わったの?」
「……ぅ……そ、それは……」
一番突っ込んで欲しくないところを突っ込まれ、私は何も言えなくなる。
女王様の追求は、更に厳しくなる。
「気持ちをしっかり伝えられたねぇ?みなみが、それでも隼人が好き!なーんて瞳をウルウルさせて言うから、ヤツは、すっかりみなみに許されたと思って、調子乗ってんじゃないの?」
「そ、そんなこと……」
「あるでしょう?あんたの告白は、隼人にとっては渡りに船!これで、隼人の中では、みなみは何をしても許してくれる都合のいいお母さん決定よ!」
亜紀さんは、ふふんとバカにしたように笑う。
「ち、ちがいます!私は、ちゃんと隼人の世話をするのをやめると伝えたし、隼人も納得してくれて……」
「でも、結局世話するでしょ?どーせみなみは、隼人のことほっとけないでしょ?」
「……ぅ……」
またまた言葉に詰まってしまう私。
だって、あんな風に抱きしめられて、誰にも渡したくないって言われたら……
昨夜のことを思い出し、顔がカァと火照ってくる。
そばにいろって、どこにも行くなって、そんなこと隼人に初めて言われたんだもん。
トロンとしていると、目を覚ませと言わんばかりの空手チョップあ~んどデコピンがお見舞いされた。