私の片想い事情 【完】
私は言われたことが理解できず、しばらく呆然としてしまった。
会いたいから?
今から会いに行く?
私に?
隼人の言葉をひとつひとつ噛みしめる。
脳が理解する頃には、自然と顔が綻んだ。
どうしよう……
嬉しい、すごく嬉しい。
隼人に会える。
それに、隼人が私に会いたいって……
私は、小躍りしたくなるのを必死で抑え、ぐふふふふと気味の悪い笑いを零す。
こんな都合のいいことってあるの?
ぎゅっと頬を抓って夢でないことを確認する。
私は、バス停のベンチでゴロゴロ転がりながら、夢の中ではフローリングに叩きつけた携帯をぎゅっと抱きしめた。