私の片想い事情 【完】

私は言われたことが理解できず、しばらく呆然としてしまった。


会いたいから?


今から会いに行く?


私に?


隼人の言葉をひとつひとつ噛みしめる。


脳が理解する頃には、自然と顔が綻んだ。


どうしよう……


嬉しい、すごく嬉しい。


隼人に会える。


それに、隼人が私に会いたいって……


私は、小躍りしたくなるのを必死で抑え、ぐふふふふと気味の悪い笑いを零す。


こんな都合のいいことってあるの?


ぎゅっと頬を抓って夢でないことを確認する。


私は、バス停のベンチでゴロゴロ転がりながら、夢の中ではフローリングに叩きつけた携帯をぎゅっと抱きしめた。




< 300 / 480 >

この作品をシェア

pagetop