私の片想い事情 【完】
「シャワー浴びたの?」
「う、うん。すごく汗かいたから気持ち悪くて」
隼人の顔がますます怖くなる。
「な、何?」
「シャワー浴びるなら尚更カギ閉めろよ。危ないだろ?」
「だって、そんなの誰も分からないわよ。それに、1階ならまだしも。ここ3階だし、シャワー、5分もかからなかったのよ?」
ぶつぶつ弁解していると、頭をコンと小突かれた。
「あのな、このアパートにも男の住人がいるだろ?どんな変態が住んでいるかわからないんだぞ?」
「隼人大げさだよ。いつも、私みたいな色気のない女誰も襲わないって言うくせに……」
「物好きもいるだろ?」
「ひ、ひどい!」
反論しようとすると、カギ忘れるなよ、と腰に手を置いてすごまれ、私は大人なしく、はいと従った。
感動の再開とは大げさすぎるけど、隼人に会えた喜びがどこかに行ってしまった。
うーん、どうして私たちってこんな風になっちゃうんだろ?
ロマンチックの欠片もない。