私の片想い事情 【完】
一人、一喜一憂していると、ほら、と目の前に隼人の家に忘れていったかばんを渡された。
「手帳も中に入っている」
「あ、ありがと」
「それから、静香さんからのお土産」
オシャレにうとい私でもすぐにわかる高級ブランドの手提げ袋を手渡され、受け取ることを戸惑ってしまう。
「隼人、こんな高級なもの受け取れないよ……」
「静香さんがみなみにってわざわざ買ってきたんだから受け取れよ。それにまだ中見てないだろ?」
「でも……」
「開けてみろよ?」
恐る恐る中を開けると、更に綺麗にラッピングされた箱が出てくる。
貧乏性な私は、破れないようにその包装を丁寧に開ける。
そして中から出てきたのは、ベビーピンクのフリルのついたビキニ?だった。
「うっわ……これって水着よね?下着じゃないよね?布の面積が少ないように見えるけど……」
手に取って、まじまじと見てしまう。
「あの人は何を考えているんだ?」
隼人が呆れた顔をして、そんなもん受け取らなくていいと呟いた。