私の片想い事情 【完】
「こ、これよ、これ!亜紀さんにもらったんだけど、亜紀さんにも似合うって言われたもの!」
鼻息荒くも、白いスケスケのそのナイティを広げて見せる。
「はぁ?亜紀の?」
「そうよ。貰い物だけど、一応私のものよ」
「何、それ着たわけ?」
私とこういったものとは無縁だと思っていたらしい隼人が、勝ち誇ったような私の態度に、少し動揺を見せる。
「そ、それに、亜紀さんだけじゃなくて、亜紀さんの彼氏さんにも似合うって、かわいいって言われたし……」
自分で言い出したことだけど、情けなくなって声が小さくなる。
あの恥ずかしい恰好を竜也さんに見られ、穴があったら入りたいくらい落ち込んだというのに。
「誰に見せたって?」
急に隼人の声のトーンが下がり、私は、ほえ?と間抜けな声を上げて見上げた。
「わざわざそれを着た姿を他の男に見せたわけ?」
隼人の黒いオーラに、私は、唾をごっくんと飲み込んだ。
何故隼人が急に怒っているのかわからない。