私の片想い事情 【完】

「お前、ほんっとに分かってない」


隼人が苛ついたように零し、私の髪に顔を埋める。


「な、な、な、何が?」

「分からないところが、みなみの良いところでもあんだけど、ここまでくるとムカつく」


隼人はムカつくと言いながら、ぎゅうぎゅう私を抱きしめてくる。


「は、隼人?どうしたの?」

「分かんないならいい」

「いいって、気になるじゃない!」


隼人は私の質問は無視し、急に思いついたように私の身体を触ってきた。


私の質問には答えたくないらしく、突然会話を変えてくる。


「なぁ、お前、細すぎ。ちゃんと飯食ってんの?」

「へ?」


背中を往復させていた手が、あれこれ私の身体をまさぐってくる。


「ひゃあ……た、食べてるよ。そ、それに、見えないところにお肉ついてるし……」


私は動揺して、言わなくていいことまで言ってしまう。


そんな私に、隼人は、ああこことかか?、とお腹周りのお肉を撫でてくる。


「……ふぁ……っ」


いつものようにからかってお腹の肉を掴むのとは違い、ゆっくり指で撫ぞられるものだから、私はつい変な声を上げてしまった。


「ふっ……みなみ何一人で感じてるの?」

「か、感じてなんか……」


顔が一気にカァと赤くなるのが分かる。


私はそんな顔を見られたくなくて、隼人の胸に顔を埋めた。




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