私の片想い事情 【完】
「どーした、みなみ?」
からかいを含んだ声で隼人が尋ねてくる。
私は何も答えず、ただ顔を隠した。
だって、今の私の顔は真っ赤だ。
昨日は夜道で暗かったから良かったけど、今日は、明るい蛍光灯の下だ。
こんなこっ恥ずかしい顔見せれない。
いつまでたっても顔を上げない私を宥めるように、隼人は背中を撫でてくれる。
どうやら、隼人の機嫌は直ったらしい。
何が隼人の機嫌のスウィッチの切り替えボタンを押しているのかわからないけど、私はこれ以上墓穴を掘らないよう口を閉じた。
頭の中はクエスチョンマークだらけのまま、私は広く温かい隼人の胸に身体を預けた。