私の片想い事情 【完】
「は、隼人!」
声が思いっきり裏返る。
は、恥ずかしい!絶対に聞かれた!
瀧川君も絶対にわざとだ!
瀧川君をキッと睨めば、意地悪く笑っていた。
こんの、性悪美少年!
悪気ありまくりでしょーーーーっ!
隼人は、不機嫌オーラ絶賛発散中で、ドカドカと事務所の中に入り、私を瀧川君から離すように自分の方へと引き寄せた。
「カズ、事務所で何やってんの?」
「え?美の伝授を♪」
瀧川君は楽しそうに話す。
それとは対称的に、苛つく隼人。
「みなみも、何浮かれてそんなもんつけてんの?顔がへん」
「はぁ?」
か、顔がへんって……
顔が変なのは元々よっ!と叫びたいのを飲み込み、私は隼人の機嫌を刺激しないように笑顔を向けた。