私の片想い事情 【完】
「おっ、3人してどーした?ピリピリしてんなー」
マネージャーがこの場を和ませようとしているのかどうか分からないけど、隼人と瀧川君の肩に腕を廻してにこにこ笑う。
瀧川君は、小さく溜息をついて、マネージャーの腕を振り払った。
「真さん、暑苦しいです」
「瀧川、お前は、本当にかわいくないなー」
マネージャーがぶつぶつ文句を言う中、瀧川君は、その場から逃げるように、着替えてきますと言って更衣室へと消えて行った。
隼人もマネージャーの腕から逃れるように、身を捩る。
「俺、男に肩抱かれて喜ぶ趣味ないんで」
隼人も、マネージャーの標的にはなりたくないらしく、その腕をかわす。
「隼人、お前もかわいくない!かわいいのはみなみだけだなー」
マネージャーの視線が私に移り、私もプールへ~と逃げるように横を過ぎようとすると、マネージャーに、頭をガシっと掴まれた。
「な、何ですか?」
ビクンと怯えるように視線を上げれば、マネージャーにまじまじと顔を覗かれた。