私の片想い事情 【完】
ムカつく、ムカつく、ムカつくーーーーー!!
何様よ、あれ?
気持ち悪いって、普通女の子に向かって言う?
私は、ビートバンに八つ当たりしながら、備品庫でクラスの準備をしていた。
備品庫で大してやることもなかったけど、誰とも顔を合わせたくなかったから。
「何で、あんな男好きなんだろ?」
ドアにゴンと頭を打ち付け、自分自身に問う。
不意にドアが開かれ、俺もそれが聞きたい、と聞こえてきた。
顔を上げれば、瀧川君が心配そうにドアの傍に立っていた。
「みなみさん、もうすぐクラスの時間ですけど、お昼食べてないでしょう?」
「瀧川君―――」
「さっきは、ちょっと意地悪しすぎましたね、すみません」
瀧川君は、ドアを開けたままにして、私がまき散らしたビートバンを拾う。
「別にいいわよ、瀧川君に怒ってないもの」
「でも、西崎さんの性格をわかってて、ついからかいすぎました」
「隼人?」
瀧川君の言っている意味がわからない。