私の片想い事情 【完】
うーん。
頭が割れるように痛い。
瞼も中々上がらない。
だるいなー。
あれ、私、どーしてベッドの上で寝ているの?
えっと……スイミングにいたよね?
それで、高橋君のお父さんが乗り込んできて、それで……
確か、私は高橋君を助けようと、逆に一緒にプールに落ちたんだっけ?
その後の記憶が全くない。
頭に激痛が走って、真っ暗になったのは覚えている。
もしかして、私、溺れたの?
うっわー。水泳のインストラクターなのに洒落になんない。
布団の中でもぞもぞ動いてみるが、なんだか身体中が痛くて、指一本動かすのが億劫だ。
それにしても、やけに固いベッドだ。
重い瞼を上げると、暗い視界の中に見慣れない天井がぼんやりと入ってくる。
鼻につくつんとした消毒液の匂いに、ここは病院なんだと理解した。