私の片想い事情 【完】
隼人の髪が、首筋や鎖骨にあたってくすぐったい。
よけるようにその髪をすくと、隼人の身体がビクンと揺れた。
「みなみ、今先生呼ぶから」
隼人は、私の質問には答えず、ナースコールを押す。
「ねぇ、今何時?」
まだ抱き着いたままの隼人の背中を撫でながら、とりあえず、現状確認をしたい私は、簡単なことから聞いた。
「今は、多分夜の10時頃」
「え?私、そんなに寝てたの?4時間程?」
「みなみ、何言ってんの?お前、丸24時間起きなかったんだぞ?」
「―――え?」
24時間?
またどーして、と聞こうとして、ドアがノックされた。
隼人は、ゆっくり私から身体を離すと、入り口付近に置かれた丸椅子へと移動した。
夜なのに、やけにテンションの高い看護婦さんが、電気つけますよーと、言うや否や、いきなり部屋が明るくなって、私は目をしばたたかせた。