私の片想い事情 【完】
「大人げないなー、もー」
瀧川君は、呆れたように笑い、丸椅子に腰かけた。
「一人で来たの?」
起き上がりながら、そう聞こうとしたとき、けたたましくドアが開かれる音がして、3人の視線は、そこに集中した。
「みなみ、無事だったか!?」
「マネージャー……」
何となく予想はしていたけど、うん、まぁ、でも。
瀧川君同様、心配で走ってきてくれたんだろよね、うん、その滝のように流れる汗でわかるから。
でも、さわやかな瀧川君とのこの差。
「暑苦しい」
私の心を読んだように瀧川君がポツリ呟く。
「瀧川、うるせーぞ!で、みなみ、何ともないのか?」
私は、笑いがこらえきれず、クスクス笑いながら、はい、と答えた。
私の笑顔に安堵した様子のマネージャーは、良かったーと息をつき、私に向かってくる。
うっわーその汗だくの身体で?と思っていると、マネージャーの肩を隼人がバチンと叩いた。