私の片想い事情 【完】
「隼人の言ったこと、あれどういう意味?」
「言った通りの意味」
「いや、その意味がわかんない」
「どーして?」
何だか押し問答みなたいなやりとりに、私は苛つく。
「いつから私は隼人の所有物で、女になったわけ?」
「いつって……」
イライラしている私に、今度は隼人が、お前、本当に分かってないの?と舌打ちする。
「みなみは、元々俺のことが好きだったんだから、俺のものだろ?」
「はぁ?」
どういう俺様論理だ?と睨めば、また舌打ちをされた。
「まぁ、多分、先週一緒にラーメン食いに行ったあの時からかな?」
「は、はい?」
ラーメン食べに行ったと言ったら、あの夜よね?
これは、よーく頭の中を整理しないと、と私は自分を落ち着かせる。
「どこをどー理解したらそうなるわけ?」
「俺、お前に言ったよな?傍にいろって?みなみだけは失いたくないって」
「う、うん、それで?」
「それでって……そのまんまの意味。俺がみなみを失いたくないって思ったから」
「全く意味が分かんないっ!!」
「はぁ?」
「それで、何をどう理解しろって?」
「信じられないくらい鈍感女―――」
呆れたようにボソリ言い放つ隼人に、今度こそ血管がぶち切れそうになった。