私の片想い事情 【完】
これは、一応告白されているのよ、ね?
喜ぶところなのよね?
夢に何度も描いた隼人からの告白のシーンだというのに。
何でこんな喧嘩腰?
しかも、病院で点滴中だし、24時間寝て起きて、顔も洗ってなくて、髪もボサボサ。
夢に描いていた、プールサイドで、『やっぱり俺には、みなみしかいない』と強く抱きしめられる素敵な告白シーン。
それが、病院のベッドの上で、睨み合ってお互いを罵り合っている
もう泣きたくなっちゃった。
そう思ったら、ポロポロと涙が零れてくる。
それは、どんなに拭っても拭っても溢れてきて、ベッドの上に大きな染みをつくる。
「み、みなみ?」
隼人が慌てて私の顔を覗きこむ。
「全然わかんないわよ。あん、な……ひっく……ことば。ずっと女として見てもらえてなかったから、あんなこと言われても、友達として必要なんだって自分に言い聞かせて……」
私は、ぐっと胸にしまいこんでいた不満を涙とともに一気に隼人にぶつけた。