私の片想い事情 【完】
唇を食むように何度も軽くキスを繰り返される。
ちゅっと音がする度に何だか恥ずかしい気持ちでいっぱいになるけど、隼人は、私を逃がしてくれず、唇を味わうように吸い付いてくる。
そして、キスが深くなる。
唇の裏に舌が入り込んだかと思うと、それは一気に侵入してきて、私の口腔を甘さでいっぱいにした。
あの夜のように、気を失いそうな苦しいキスをされるのかと思ったけど、隼人はゆっくり舌をからめ、舐め取りと、とっても優しくキスを深めていく。
わけのわからないような激しいキスの方が良かった。
こんな、優しくて、焦れったくて、反応を確認するようなキスは、私の羞恥をひどく煽り、身体の芯を疼かせた。
ああ、私、隼人とキスをしているんだ―――
これは夢じゃないのね?
もう、病室だとか、ダサいピンクの病院着を着ているとか、髪がボサボサだとか、そんなことはどうでもよかった。
私は、夢心地で、隼人の止まることを知らない長―――いキスを受け続けた。