私の片想い事情 【完】
本当は、ちょっと喜んでいる自分もいる。
静香さんが実の娘のように自分を心配しくれたのも嬉しかったけど、隼人と一週間一緒に過ごせることが何よりも嬉しい。
隼人がどう思っているかわからないけど、仕事を休んでいると中々会えないし、とにかく隼人と会いたかった。
そう、昨日の今日で、私の頭の中は恋愛モード一色になってしまっていた。
あんなキスをされ、甘さと熱さでヘロヘロになった私は、記憶が曖昧で未だに夢心地状態。
まだ隼人から、どこでどーして突然そんな心境になったのか聞いていないから、早く隼人に会ってゆっくり話がしたかった。
だって、いつ何時気が変わったなんて言われるかわからない。
あの隼人だもん!
私が病院に運ばれて、パニックになっただけかもしれないし、過去の使い捨て彼女のように、また私のこともいらなくなるかもしれない!
ここは、はっきりしておかないと、後々後悔する、と私は腹をくくった。
通算数えきれないくらい隼人に振られてきた私だ。
隼人が私のことを求めてくれただけで、もう大満足。
高望みなんてしない、といつも言い聞かせていたから、ちょっとやそっとのことでは動じない自信もある。
私は、ハーブティーで心を鎮めながら、ぐるぐる色々な妄想を巡らせていた。