私の片想い事情 【完】

「誰もそんなこと言ってないでしょう?」

「笑顔が引きつってるよ?」

「!!!」


この……多分名前は瀧川、こいつは私の顔を覗き込み、クスクス笑っている。


腹が立つのに笑うと可愛い顔をしている、と思ってしまう自分が情けない。


そして、私はこいつの余裕な表情とからかうような態度に段々と腹が立ってきた。


ちらっと見れば、意地の悪い笑顔を浮かべ、まるで人を嘲笑っているようだ。


その態度に無性に腹が立ち、ついいつも以上に感情的になってしまった。


「そうよ、イヤよ!本当はすごく面倒くさい!教えるのは子供だけにして欲しいもの」


言い出したら止まらなかった。ポカンとしている二人を後目に私は西本さんの前で呑み込んだ言葉を一気に吐き出した。


「最低限のことは教えるけど、一回しか言わないし、後は自分でしっかり考えて行動してちょうだい!私も色々やることが多くて忙しいの!」


捲し立てる私に、二人は何も言わず唖然としていた。



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