私の片想い事情 【完】
「お、俺たち浅井さんに迷惑かけないよう頑張ります!ほら、カズお前も!!」
菅波君は、私の顔が再度引きつったのを感じたのか、慌てて頭を深々と下げお辞儀をした。
彼は本当にいい子のようだ。
「とにかく、保護者の前では態度に気をつけてね?今の親御さんたちはすごくうるさいんだから」
私は極力感情を抑えて答えた。
こんなバカに付き合ってられない!
「はい」
「は~い。よろしくお願いします、浅井せ~んぱい!ね?」
瀧川君は私を覗き込むようににっこり笑った。
何が「ね?」だ、と思いながらも、またまた不覚にもその笑顔にドキンとしてしまった。
女子力ゼロ、男経験値ゼロの自分が恨めしい。