私の片想い事情 【完】
げんなりする表情で見上げれば、目の前の生意気な美少年はまだニコニコと笑っている。
これは、隼人にも匹敵するキラースマイルだ。
しかもそれがどれだけ殺傷能力があるのかわかっている……
チラっとその眩しい笑顔を見ると、「どうしました?」とまた下から覗き込んでくる。
う……。
多分私が一番苦手とするタイプだ、と頭の中で警報が鳴る。
自分が美少年だとわかっている高慢な美少年。
またとんでもないモノの指導係りになったもんだ、と脱力しながら二人を連れてプールへと案内した。