私の片想い事情 【完】
私は夢を見ていた。
それは、ずっと憧れていたシチュエーション。
カーテンの隙間から零れる朝日。
チュン、チュン、と小鳥のさえずる音がし、甘い朝の到来を知らせてくれる。
心地よいシーツの肌触りと、背中に感じる温もりに、昨夜あったことが現実だと実感する。
隼人が私の寝顔を見つめていて、優しく額にキスを落とす―――。
くすぐったさに重い瞼を開ければ、彼が魅惑的に微笑み、おはよう、と今度は唇にキスを落としてくる。
腹部に感じる違和感に、私は昨夜、彼と結ばれたんだということを実感した。
恥ずかしくて顔を覆い隠すと、かわいい、とまたキスの嵐が始まった。
ああ、なんて素敵なの。
こんな朝を迎えられる日がくるなんて思ってもなかった。
初めて抱かれた後、好きな人と一緒に迎える朝は、格別だ。
そう、好きな人と―――