私の片想い事情 【完】
隼人のことが好きでも、それでも私を好きだと言ってくれた瀧川君。
隼人と想いが繋がった今、ちゃんと言わなくちゃいけない。
そう思うのに、彼を傷つけたくない、と狡い自分が出てくる。
どう説明しても、結果は同じ。
彼の想いに応えることはできない。
隣に座る彼に意を決して向かい合うと、とびきりの笑顔で微笑まれた。
「みなみさん、俺大丈夫だよ、わかっていたことだから」
「―――え?」
「みなみさんが幸せならそれでいいんだよ?」
優しく頬を撫でられ、私は、彼が全てを知っているんだと理解した。
「あのさ、みなみさんと同じくらい西崎さんって分かりやすいんだよね?それも嫌になるくらい」
瀧川君は、辟易とした顔で語りだす。
「最近の西崎さんは、浮かれていて気持ちが悪いよ。何があったか丸わかり!」
冗談っぽく流してくれる瀧川君の優しさに、私の涙腺が緩む。
ここで泣く資格なんて私にはないのに、涙が溢れてきた。