私の片想い事情 【完】
ちゃぷん、と波立つ湯船。
ジャグジーバスにたっぷりはられたお湯はとても心地良い温度に設定されている。
充満するパーセフォニーのバスソルトの香りに包まれ、広々とした浴槽に身体を思いっきり伸ばす。
西崎家でのいつものバスタイム。
私が一番リラックスできる時―――
のはずだったんだけど。
何故か私は、広々とした浴槽に身をかがめるようにして小さく座り、リラックスするはずの身体は、全筋肉が緊張しているように強張っている。
それは―――
背後から手を伸ばしてあれこれ色々悪戯してくるエロ男のせいで。
「ふぁ……っ……は、やと……」
「何?」
「やめ、あ、あ、あ……」
耳たぶを甘噛みしながら、私の身体を好き勝手まさぐる隼人に、私はここ一時間は翻弄されっぱなし。
「やめない。みなみがちゃんと理解するまでやめないからな」
「や、や、そこ、ダメぇ……ごめ、んな、さい……もう、しないから……」
私は、わけもわからずごめんなさいを連発しながら、身体を弛緩させていた。