私の片想い事情 【完】
ずっと好きだった……?
思いがけない告白に、脳がうまく回転しない。
「いつ、から?」
「わからない。でも、いつの間にかみなみが俺の傍にいることが当たり前のように思えて、みなみがすごく大切な存在になっていた」
「あの、意味がわかんないんだけど?」
抱きしめていた腕の力を緩め、隼人の顔を覗きこめば、罰の悪い顔で隼人は語り出した。
「俺が女といい加減な付き合いしかしてこなかったのは、みなみも知っていると思うけど」
「うん、よーく知ってる。だから、今隼人の言っている意味が本当にわからない。彼女がいたのに、私が好きだったの?」
「みなみには手を出せなかったから……」
「は?どういうこと?」
これこそ、本当に意味がわからない。
隼人の言っていることは、全てがクエスチョンマークだ。
私は、いつ隼人に手を出されてもいいように、常にラブ光線を送っていたと思うけど。
それこそ、好き好きアピールもかなりしていた。
「みなみだけは失いたくなかったから。身体の関係を持ってしまうと、今の関係が崩れると思ったんだ」
「そんなこと―――」
そんなことないと言おうとして、私の言葉は遮られた。
「あるよ。少なくとも、その時はそう思っていた。今でも、不安だけどな」
ふっと苦笑いする隼人に、何となく言わんとしていることがわかった。