私の片想い事情 【完】
「隼人!バカなこと言わないで!隼人は、隼人だよ。お母さんなんて関係ない。私は隼人が隼人だから好きなんだよ。隼人が私から離れても、私が隼人から離れないんだから!6年の片想い歴をなめんなっ!」
まるで小学生みたいな告白。
でも言葉なんて選んでいられなかった。
隼人、どうか気付いて。
あなたのことを無条件で必要としてくれる人はいるの。
だから、隼人も求めていいんだよ。
そんな想いをこめて私は隼人にキスを落とす。
それこそ、隼人がいつもしてくれるように、愛情をめいいっぱいこめて、額から頬、鼻先から唇まで。
私のつたない愛撫とも言えないキスに、隼人がふっと笑う。
「みなみ……くすぐったい」
「うるさい、今キスしてんだからっ!」
自分からこんな風にキスをしたことがない私は、恥ずかしくて性がなかった。
クスクス笑う隼人に、まるで小学生の求愛のようなことしかできない自分がひどく幼く感じて、顔を見せないように隼人にしがみついた。