私の片想い事情 【完】
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意識を手放した私が目を覚ましたのは、やっぱり客間のお布団の上。
大きなTシャツを着せられていて、誰が身体を拭いて、Tシャツを着せて、ここまで運んだのかは、敢えて聞かないでおいた。
隣で片肘を立てて私の寝顔をずっと見ていたであろう、美しい恋人は、全く悪気がなさそうに私の唇にキスを落とす。
「みなみ、無理させたな、ごめん」
本当にこいつは悪いと思っているんだろうか?
私の髪でくるくる遊びながら、ニコニコ笑っている。
「水、飲む?」
「飲む」
私は、敢えてぶっきらぼうに答えやった。
何を言っても勝てそうにないから、もう態度で示すしかない。
こういことは金輪際止めてもらわないと、そんな意思をこめて睨み付けてやった。
「そんなに怒るなよ。俺は悪くないからな?」
相変わらず人の髪で遊びながら、平然とそんなことを言ってのけるコイツは本当にどうしようもない勝手男だ。