私の片想い事情 【完】
「みなみが鈍感なのが悪い」
「わ、私?」
「そう、みなみが可愛いのも悪い」
「あの、隼人君?」
今さっき謝ったのは何?と言いたくなる開きように開いた口が塞がらない。
「みなみが俺を誘うから」
誘ってない、誘ってない、それは断じてないっ!
そう反論しようとして、唇が塞がれた。
抵抗しようと肩を押しのけようとしたら、冷たい水が喉に押し込まれる。
それは、かわいた口腔と喉をゆっくり潤してくれる。
ごくん、と飲み込むと、また新たな水が注ぎこまれた。
「んふ……んん」
口元から零れる滴を舌で掬い取られ、また唇を塞がれる。
ああ、もう、言いたいことは山程あるのに……