私の片想い事情 【完】
「亜紀さん、おはようございます」
私は、いつもの通りぺこりと頭を下げた。
「おはよ~。瀧川君?うわさ通りキレイな顔してるわねぇ」
鼻歌でも歌わんばかりの声色で亜紀さんは瀧川君に擦り寄る。
こいつは女に慣れているのか、亜紀さんのお色気に全く動じていない様子。
「亜紀さん?よろしくお願いします。こんな美人にキレイだなんて言われたらなんか擽ったいな~」
何だその態度の差は、とまた私の顔が引き攣った。もう昨日から顔が筋肉痛になりそう。
ここはホストクラブか!?と突っ込みたくなる。
「瀧川君ってできる子ねぇ。みなみは厳しいけど悪気はないのよ?それにJO控えてちょっとキリキリしてんのよ」
「亜紀さん、余計なこと……」
いやなことを思い出させてくれる----
「JO?」
「そっ!ここには結構真剣に記録目指している子多いから」