私の片想い事情 【完】

そうJO。いわゆるジュニアオリンピック。


実はうちのスイミングスクールはかなり本格的に競泳選手の育成に力を入れている。


私は小学校の頃からずっとこのスイミングスクールに通っていたけど、記録を目指す為に、途中から変わってくる子も多い。


隼人もそうだった。高校のときに変わって来た。


ちなみに私もJO目指したことがあった。叶わなかったけど……


「瀧川君、そんなことも知らずにここに来たの?あきれた……」

「すみません。色々教えてくださ、ね?」


瀧川君はいたずらっぽく笑ってみせた。


自分の笑顔はかわいいって分かっているヤツの表情だ。


イラっとしながらも私はぶ厚い生徒ファイルの束を瀧川君の前に置いた。


「あの、これは……?」

「色々教えてほしいんでしょ?これ、あなたが出なきゃいけないクラスの生徒ファイル!全部読んでおきなさい」

「こ、こんなに???」


瀧川君は目をぱちぱちさせて驚いている。



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