私の片想い事情 【完】
「これは、私も隼人もマネージャーから言われてことよ。とっても大切なことなの」
「はいはい。でも俺、活字読むよりせんぱいにプールで手取り足取り教えて欲しかったなぁ~」
こんのっ……やっぱりかわいくないっ!
「先輩」がさっきから平仮名読みに聞こえるのは私が卑屈だからだろうか?
「ちゃんと言われた通りにして」
「は~い!」
「間延びした返事はやめなさいって言ったでしょう?」
瀧川君は怒られているというのに、「はい」と機嫌よさそうにニッコリ笑う。
あぁ、この子はつかめない。
何で水泳の指導以外のことを教えないといけないの?とつい鬼マネージャーを恨んでしまう。