私の片想い事情 【完】
「あっ!ねぇ、私クラスまで時間あるから教えてあげる」
捨てる神あれば、拾う女神あり?
私たちのやりとりを見守っていた亜紀さんが瀧川君の席の隣に座り、ファイルを開く。
「いいんですか?俺はうれしいけど……」
瀧川君が私の方をチラっと見る。
斜め45度の上目遣い。
こいつわかっててやってるな……
「いいですよ。それで仕事がスムーズになるなら」
どうぞどうぞ教えてください、と私はにっこり微笑んだ。
だって、私にはムリだから、こんな危険物を扱うのは。
私はそのまま瀧川君と亜紀さんを残し、事務所から出ていった。