私の片想い事情 【完】
「あーーーーっ!何なの!?あの態度!イラっとくる!!」
イライラする感情が抑えきれず、ついバンッとファイルを椅子に投げつかる。
「みなみ、どうした?」
ふと背後から、私の大好きな低い声が聞えてきた。それだけでイライラした機嫌も半減し、胸がトクンと鳴る。
「隼人」
「今日からカズの指導?」
「そうよ!隼人の後輩なら隼人が指導してよっ?あの子すごく苦手」
私はプールサイドに座り、水温を計りながら愚痴った。
せっかくの隼人との会話で愚痴なんて言いたくないけど、つい口から出てしまう。
「いや、カズはそんな悪いやつじゃないって」
「でも、あの子やる気あんの?」
そう、やる気があるように全く見えない。
へらへら笑って……。