私の片想い事情 【完】

隼人の前でこんな顔をしていたのかと思うとイヤになる。


隼人はいつもそうだ。


ちゃらんぽらんしているくせにちゃんと人を見ている。


そしてさりげなく欲しい言葉をくれる。


友達かぁ……


隼人が自分を理解してくれているのは嬉しい。


でも、それが一層隼人への気持ちを膨らませ、同時に切なくさせる。


「バカ隼人……」


私はもう一度その名前を水面に向かって呟いた。


< 59 / 480 >

この作品をシェア

pagetop