私の片想い事情 【完】

「なんか、いい感じじゃん？」


私と瀧川君のやりとりを見ていた隼人が急にそんなことばを投げかけてくる。


「何がいいの？」


隼人の言っている意味が分からず私は不可解な顔をする。


「瀧川と。あいつがあんな態度取るってことはかなり心開いている証拠だ」

「はぁ？あれで？こっちはいい迷惑だわ」

「今にハルも加わるって（笑）」


ハル？ハル？あぁ、良い子の菅波君だ、と納得するも、これから美形二人を相手にしなければいけないことに大きな溜息が漏れる。


菅波君は、瀧川君のように私をからかうようなことはしないと思うけど。


「他人事みたいに言わないでよ。隼人の世話だけで大変なのに……」


そんなかわいくないことをつい言ってしまう自分にまた嫌気がさす。


素直になりたいのに……