私の片想い事情 【完】
「4年生の高橋くん?回復期に入っているのに練習メニューちょっとキツくありません?学校でも水泳記録会の練習が始まっているし、学校の練習後にこのメニューはやめた方がいいじゃない?」
あぁ、中々鋭いところをついてくる。
今日の練習一回でもう気付くなんて……
「高橋君はJOを目指しているだけでなく、記録も目指しているの」
「4年生で記録目指させるのって早すぎません?もっと長期的に見ないと……」
「しょうがないの。高橋君のお父さんがそれを求めているから……」
瀧川君は怪訝そうな顔で問い返してきた。
JOを目指している生徒の保護者にはすごく熱心な人が多い。
中には練習メニューやエントリー科目にまで口を出してくる保護者もいて、大会が近くになると結構こういうもめごとは多い。
いつも鬼マネージャーに対応してもらっているんだけど、鬼が強く言っても怯まないんだよなぁ。