私の片想い事情 【完】

「このままじゃ、この子はダメになるよ?今記録を取れても6年、中学になればすぐに追い越される」


瀧川君はまだ真面目な顔を張り付けている。


「そんなこと瀧川君に言われなくてもわかっているわよ」

「わかってんなら何で?個メ中心に変更させれば……」


瀧川君が急に声のトーンを低くしたので、私は目を見開いて驚いた。


「あっ……すみません。小学生のうちは体の筋肉の能力を均等にアップさせないと。このまま成長期にムリさせるといつか膝や腰を壊しますよ」

「一度マネージャーからもお父さんに話ししてもらったの。でも聞いてくれなくて。他のスイミングスクールに移るって言い出す始末。だからなるべく負担にならないようにメニューを考えているのよ」

「そうですか。すみません、出過ぎたこと言って」

「どうしたの?急に真面目になって」


こんな感情的になるなんてどうしたんだろう?



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