私の片想い事情 【完】
「俺も……」
「え?」
「同じだったんだ……」
瀧川君が聞き取れない声で何か呟いていたけど、その顔がちょっと辛そうだったから、私はこれい以上聞き返せなたかった。
何だか触れてはいけないような気がした。
少し気まずい沈黙が流れ、何か気の利いたことを言おうと思っても、言葉が出てこない。
こんなとき亜紀さんだったら、さらっと切り替えれるんだとうけど……
私が困った顔をしていると、瀧川君が何故かクスリを笑った。その笑いはからかいめいたものではなく、どこか優しいものだった。
「さて、片付けましょうか?」
そう言って席を立つ瀧川君はもういつもの調子に戻っていて、私は素早くファイルを片付けた。