私の片想い事情 【完】
「じょ、冗談はやめてよ……」
そう、冗談。
年下にからかわれてる。
冗談って分かっているのに私の心拍数は無限大に上昇し、瀧川君の顔を見ることができない。
「俺、みなみさんみたいなタイプ初めてかも。ねぇ、キスしていい?」
「へ?キス?」
どこから、どういう経路でそんな発想に?
見上げるとキレイな顔が目前まで迫ってきて発想だけじゃなくて、行動に移しているんだと気付いた。
「ダ……んん……チュ……ん……」
ダメって言おうとしたのに―――
瀧川君は私の返事を聞かずに両手を腰の後ろで押さえて唇を重ねてきた。