貴方は私の―――



「……えっと、それはつまり…」


私が駿について忘れてたのは、その試練のせいで。


今、私の記憶が戻ってるってことは………。


伏せていた視線をあげると、


そこには、とても優しい顔をした駿がいた。


「…………っ!!」


好きな人の顔を至近距離で眺めたせいで、顔が熱くなる。


けど、そんな私の気持ちを知ってか知らずか、


ぎゅっ……


と回された手に力がこもった。



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