たった1つのラブレター
-ヒロト-
ごめんね、ごめんね。
私、絶対恋なんかしないよ。
ヒロトは、私を恨んでるでしょ?
最低なやつだって、思ってるんでしょ?
別にいいよ。
本当の事だから。
本当に・・・
何でヒロトが事故に合ったの?
私が合えばよかったのに・・・
「まゆ」
頭から、離れない。
ヒロトの優しい声。
「ヒロト・・・」
私は、声を押し殺して泣いた。
目を、覚ますとそこはベッドの上だった。
私の体には、毛布がかけてあった。
昨日、どうやら私はあのまま寝て寝てしまったらしい・・・
時計を、見ると
まだ6時30分。
1階に降りると、お母さんとお父さんの声があった。
「やっぱり、この町を出るべきかしら・・・
このままだと、まゆはずっとあのことを引きずったまま・・・」
「しかし、まゆの事だ・・・
そう簡単には、町を離れるとは言わなさそうだ・・・
たとえ離れたとしても、ヒロト君の事を忘れることはないだろう。」
「そうよね・・・
でも、もう2年もたつのよ?
そっとしとくのレベルじゃないわ。」
「でもしかたないよ・・・
いつか、まゆにも吹っ切れる日が来ることを願うよ。
じゃぁ、俺は仕事に行くから。」
「えぇ。
いってらっしゃい。」
「・・・まゆのあの無邪気な笑顔
もぅ1度、見れる日がくるといいな・・・」