大嫌い大好き

その時あたしのお腹が勢いよくなった。

ぐううう


一瞬目を合わせたあと、あたしは恥ずかしくてうつむいた。

よじかんめを抜けてきたんだからお腹すいてるに決まってるし。

今日に限って早弁してなかったから…。

上からはくすくすとわらうこえ。


あたしは、寛貴をにらんだ。

「笑わないでください!」

「ごめんごめん…くっ…あはは」

謝りながらも、寛貴は笑いを堪えられていない。


ようやくおさまると、あたしの手をとった。

「なんか、食いに行くか」

「あたし、ラーメンがいい♪」
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