GIRL GIRL GIRL!
「ちょっと先生そこどいて!」


先生を無理やり押しのけて、指揮台に立った西先輩。



<スーッ>と西先輩が深呼吸をした途端。その瞬間から「黄金時代」は幕を開けた。



深呼吸をして、目を見開きザーッとみんなを見渡す。



そして・・・。




「なんなの今の?何?あくびでも奏でてるつもり?それとも屁でも吹いてんの?
マジ今の聴いててゲロ吐くかと思ったし。」


明らかに西先輩が西先輩じゃない。


目付きも口調も違う。



加えて、弾丸となった言葉が西先輩の口から、目にも留まらぬ速さで飛び出ていく。



「おいちょっと田中!あんた何そのもやしみたいな音は?!

ペットは16小節から旋律でしょーが。もやしみたいに誰が吹いていいっつったんか?!
ボーンの入江!ボーンは伴奏でバス音をちゃんときざまなきゃでしょ?!なにかってにリズム変えてんのよ?!
それからフルート!あんたら昨日練習せずにべらべら喋ってたでしょ?!
サボるんならそれなりのレベルで返しなさいよ!できないなら二度としゃべんじゃねーよ!」



速すぎて何が何だか分かんない。



西先輩の熱はおさまることもなく、もはやどんどん加速していく。

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