理想の瞳を持つオトコ ~side·彩~
両腕で胸元を隠しながら、しゃがみこんだ私を…

同じ様にしゃがんで、抱きしめるイッセイ。


恐る恐る顔を上げると、ニッコリと微笑みながら、

「恥ずかしがらんかて大丈夫や。
ココに居るんは、アヤとアヤを欲しがってる俺だけなんやから」

そう言って、軽いキスを一つし…

再び、お姫様抱っこでベッドへと運ぶと、私のミュールを優しい手つきで脱がし、クローゼットにしまい、

「ちょお、待っとき」

と言って、浴室にお湯の確認に行った。


戻ってきたイッセイの腕には、私のワンピースが掛けられ、それもクローゼットのハンガーに掛けてくれた。


そのまま、自分の服を脱ぎ始めたイッセイに、恥ずかしさで目を逸らしていると…

「アヤ。目ぇ開けて、ちゃんと俺を見て。
この躰に昨夜、抱かれたんやて思い出して。

今からアヤを抱くのんも、この躰。

明日も、明後日も、ずっと、ずっと、アヤを抱くんは俺や」

そう言ったイッセイは、全てを脱ぎ去り、私に覆い被さり…

唇を重ねながら、私から全ての衣服を奪い

「ぜ~んぶ、綺麗に洗おうたるわ

そう言って再び、お姫様抱っこで浴室へ向かう。


真っ白で丸いバスタブに、バブルバスで泡風呂にしてある。


イッセイは、私を抱えたままバスタブに浸かり

「これやったら恥ずかしいことないやろ?」

と、ニッコリ笑うと、私にバスタブの中にあるステップに、後ろ向きで腰掛ける様に言う。


バスタブを出たイッセイが、そのまま優しい手つきで、でもしっかり指の腹に力を込めた、スッゴく気持ちいいシャンプーをしてくれて…

コンディショナーが終わるまで、ちょっとウトウトしてしまった。


私の髪を洗い終えると、サッサと自分の髪も躰も洗い終えてしまって…

ちょっとだけ

『私も洗ってあげたかったな』

なんて、残念に思った。
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