理想の瞳を持つオトコ ~side·彩~
快感に酔い果てた熱い躰から、お互いの衣服をはぎ取り合うと…

「今更だけど、シャワー浴びよか?
汗かいてしもたやろ?」

おどけて尋ねるイッセイに…

「純粋にシャワーだけなら、浴びたい」

と、答えると…

「不純な浴び方も気に入ってるクセに」

と返され、赤くなる。


「さっきまで、あないに大胆やったのに」

耳元で囁かれる声に、また、心臓が高鳴り出す。


その後のイッセイは…

昨日と同じ様に丁寧に私の頭を洗い、コンディショナーをしてくれたから、私も同じ様にしてあげた。


二人で、泡で出てくるボディソープを躰に塗りつけあい…

お互いの手で、洗い合う。


お互いの下半身にも手を延ばし合ったけれど…

リーチの差が目に見えてる無謀な勝負は、私には圧倒的に不利で…

結局、イッセイの指遣いに蜜を溢れさせてばかりで、勝負になんてならなかった。



そればかりか…


「もう一回…お願いします」

なんて、敗北宣言までしてしまい…


「この部屋でスルのも、今夜が最後やし…
せっかくやから、あちこち廻ろか?」

イッセイの提案に、反対する力も残されていない私は…

私の自宅のシングルベッドよりも大きなソファーや、夜景の見える窓ガラスに躰を預け…

当初の望み通り、真っ白な世界へと誘う、甘い、甘い、快感に溺れるしか出来なくなっていた。


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