理想の瞳を持つオトコ ~side·彩~
イッセイに手伝って貰いながら、そんなに多くもない荷物を纏め終えると…
昨日、葉子さんと一緒に買い物したお店の紙袋を手にして、イッセイに差し出す。


「あの…コレ…」

「ん?」

イッセイは不思議そうな顔をして、私と紙袋を交互に見つめる。


「あの…コレは、お礼というか…

その…お礼というか…

いや、お礼なんだけど…

あの…お礼なんです」

妙に照れてしまって、うまく言えないまま、イッセイの胸に押し付けるように渡す。


「お礼?なんの?
そんなにお礼されるほどのコトは…

ベッドでしか、してないはず」

イッセイがニヤリと笑う。


驚いて目を見開く私が、抗議の言葉を口にする前に…
チュッと、リップ音が響く軽いキスをして…

「おおきに。めっちゃ嬉しい。
開けても構へん?」

キラキラと輝くような、綺麗な瞳で見つめながらニッコリと笑うから…
照れてしまって、何も言えないまま頷いた。


紙袋の中身である半袖と長袖の2枚のシャツをベッドに広げ…
何も言わずに見つめているから、趣味に合わなかったのかと不安になる。


「こういう色、嫌いだった?

…ゴメンね。

葉子さんにはちゃんと、モノトーンが好きみたいって聞いてたのに…」

シュンとする私を、ふわりと抱きしめ…

「綺麗な空色のシャツやなぁ。
嬉しいなぁ、おおきに」

そう言って、抱きしめる腕に力がこもる。


「無理しなくて良いんだよ。
気に入らなかったら…」

そう言いかけた私の唇は…

重なってきた、イッセイの唇に阻まれて…
舌まで絡め取られて、言葉にならない。


ゆっくり、ゆっくり…

イッセイが喜んでくれている気持ちが、伝わってくるような…

優しくて、ほっこりした気持ちになるキス。


その優しさに、もっと触れていたくて…
そっと、イッセイの長くて、キレイな首に腕を絡めた。
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