理想の瞳を持つオトコ ~side·彩~
あれから毎日のように、マキ先輩にいろいろアドバイスしてもらい…
新幹線の切符や、〔劇団季節〕のチケットも手に入れ、だいたいのプランも纏まった。
2日後の出発を前に…
明日の公演を控えている洋介の為に、今夜から差し入れの準備をしなきゃと思っていると、マキ先輩に〔ロータス〕へのランチを誘われる。
「もちろんです!!」
そう答えて訪れた店内で、ふいに
「はい、彩。
コレ、お餞別代わりにあげる」
マキ先輩がチケットをテーブルに置いた。
【簓流狂言・笹森伊之助家 納涼狂言会】
そう書かれたチケットに、首をかしげると
「狂言よ。
笑いの要素が満載で、伝統芸能の中ではとっつきやすいし…
ドレスコードも無ければ、作法もないから安心でしょ?
彼も役者のはしくれなら、見ておいて損は無いと思うし」
そう言われてみて、やっと本来の旅行の目的を思い出す。
『本物に触れてオトナのイイオンナになりたかったんだ…私』
それなのに、いつの間にか洋介との旅行に意地になっていたコトが恥ずかしい。
それなのに、そんな私のコトだけじゃなく、洋介のコトまで気遣ってくれるマキ先輩の優しさに感動して…
「わぁ~!!
狂言なんて、生まれて初めてです!」
満面の笑みでチケットを握り締めた。
「洋介も楽しんでくれると良いな」
そう呟きながら、狂言が何なのかはまだよく解らなかったけれど…
お互いの為になるはずの貴重なチケットを、大切にバッグにしまった。
運命を変えるチケットになるだなんて、思いもせずに…
新幹線の切符や、〔劇団季節〕のチケットも手に入れ、だいたいのプランも纏まった。
2日後の出発を前に…
明日の公演を控えている洋介の為に、今夜から差し入れの準備をしなきゃと思っていると、マキ先輩に〔ロータス〕へのランチを誘われる。
「もちろんです!!」
そう答えて訪れた店内で、ふいに
「はい、彩。
コレ、お餞別代わりにあげる」
マキ先輩がチケットをテーブルに置いた。
【簓流狂言・笹森伊之助家 納涼狂言会】
そう書かれたチケットに、首をかしげると
「狂言よ。
笑いの要素が満載で、伝統芸能の中ではとっつきやすいし…
ドレスコードも無ければ、作法もないから安心でしょ?
彼も役者のはしくれなら、見ておいて損は無いと思うし」
そう言われてみて、やっと本来の旅行の目的を思い出す。
『本物に触れてオトナのイイオンナになりたかったんだ…私』
それなのに、いつの間にか洋介との旅行に意地になっていたコトが恥ずかしい。
それなのに、そんな私のコトだけじゃなく、洋介のコトまで気遣ってくれるマキ先輩の優しさに感動して…
「わぁ~!!
狂言なんて、生まれて初めてです!」
満面の笑みでチケットを握り締めた。
「洋介も楽しんでくれると良いな」
そう呟きながら、狂言が何なのかはまだよく解らなかったけれど…
お互いの為になるはずの貴重なチケットを、大切にバッグにしまった。
運命を変えるチケットになるだなんて、思いもせずに…